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進学校に行く意味はない?

教育経済学という教育を対象とした経済学の分野があるのですが、その研究者の間では進学校へ行くことはコスパが悪い、つぎ込んだ労力に対してリターンが低いとされています。

 これは小さな池の大魚効果と呼ばれる心理学の効果で、人間は自分の所属する狭い世界で周りと比較して自分の能力を評価するので、優秀な人に囲まれた人は自己肯定感が下がってしまうという効果です。

 私は以前からムリして進学校へ行くことに否定的でした。それはこれまでの経験上高校受験でムリして頑張って進学校に行ったものの周りのレベルの高さにやる気をなくしてしまった生徒を何人も見ているからです。

 ここからは私の実体験を書いていきます。

 私が予備校で知り合ったMくんは大阪府最難関公立高校の卒業生でした。しかしあまりやる気が感じられず成績も低迷していました。その原因が高校入学してすぐの定期テストの結果だったのです。中学生の時は学年で2位の成績で、その調子で高校最初の定期テストを受けたらクラスで下から2番目だったんです。特にサボったわけでもなく学年2位だった頃のように頑張って勉強した結果がクラスで下から2位、これでやる気をなくしたMくんはそれ以来成績が不振のままなんとかK高校は卒業したものの大学受験も失敗して2浪することになります。

 

 K高校受かる人は普通にやってたら関関同立なら現役で受からないとおかしいんですよ。浪人してまで関関同立全落ちとかありえないやる気をなくすとここまでダメになってしまうのかと怖くなりました。

  一方私は「まぁ慶應と上智はオレには合わへん感じやし、早稲田かな、最悪は同志社でもええかな、京都ではモテるらしいし。」とか考えていました。当時偏差値40くらいしかないのにバカ友に囲まれて出来上がった謎に高い自己肯定感(笑)がありました。

 このように考えていた私は何の根拠(成功体験ナシ)もないのに「やればできる子なんよオレ様は」と自分を信じて猛烈に勉強を始め、なんとか目標を達成することができました。このモチベーションは謎に高い自己肯定感が生み出していました。

 「~高校〇〇人合格!」とか「~高校特別特訓」とかやってる塾に行ってなんとか進学校に行けた人は受験時の勉強量を高校3年間続けることができないと落ちこぼれてしまう、そして自己肯定感を破壊される危険があることを知って欲しい。

 結局、高校受験はテクニック(受験対策等)に頼らずに真面目に王道を行って入れる高校で頑張るのが一番いいと思います。進学校合格時が高校生活のピークになってしまうのは悲しいですから。